じいちゃん奮闘記 のど自慢編その1
我が父は76歳のじいちゃんである。
じいちゃんは昔から歌を歌うのが好きだった。
日曜日のお昼となれば、どんな事があってもNHK「のど自慢」をみて、
茶の間の審査員になり、一緒に歌うのだった。
実は今度盛岡にNHKのど自慢がやってきます。
こっそり、じいちゃんの名前で応募しようかと思い、母に相談したところを、
じいちゃんに聞かれてしまった。
「う~~ん・・・」と難しい顔をしているので、こりゃ強行突破しかないと
思っていたら、
1分後
じいちゃん「何を着ようかな?」なんて、出場者になった気分になっているじゃないか。
その気になるの早いぞ、じいちゃん!
数日後、もうじいちゃんの頭の中は「のど自慢」でいっぱいだ。
予選に出るのも抽選だというのに・・・
そんな今じいちゃんが懸念しているのは、
アナウンサーのインタビューにどう答えるか。ということ。
応募用紙には「今年金婚式をむかえた」と書いたので、
そのあたりの質問がくるかもと思い、
私「じゃあさ、アナウンサーに、金婚式を迎えたようですが、
夫婦仲良しの秘訣は何ですか?と聞かれたらなんて答える?」と聞いたら、
少し考えて・・・・・・
じいちゃん「おしとやかに・・・」
私「???・・おしとやか???・・・」
私が???の様子を見て
じいちゃん「田舎の言葉は、全国ネットで通じないかなぁ・・・」
って、おしとやかって方言じゃありませんから~。
使い方が変なだけですから~。
大丈夫か、じいちゃん。
つづく