我が父は76歳の、じいちゃんである。
その妻、つまり我が母ます子は、何か困ったことがおきると、
私に電話してくる。
母ます子「どうしよう・・・じいちゃんがだいぶ弱ってる」
どうしたことかと聞いてみると、「しゃっくり」が止まらないというのだ。
なんだそんなことか・・・と思ったら、
じいちゃんの「しゃっくりは」4日間続いているのだ。
ご飯を食べているときも、寝ているときも・・・
だから、ご飯をあまり食べられず、あまり眠ることもできず、
どんどん衰弱しているらしい。
母ます子「しゃっくりで死ぬことあるのかな・・・」
母があまりに心配しているので、友人の看護婦さんに聞いたら、
友人はしゃっくりで死んだ人を見たこと無いが、
心配するよりは病院に行ったら、と言ってくれた。
という訳で明日は病院に行くことにしてその夜は電話を切った。
しゃっくり5日目の朝、
母ます子からの電話で、朝起きたら止まっていたとの事・・・・
いったい何だったのだろう???
そんなじいちゃんは、4年ほど前、初めて入院を経験した。
急に入院することが決まったので、娘の私はパジャマを買ったり、
洗面道具を買ったり、まあこんなときくらいは優しくなる。
小さな個人病院の一室。すべて一人部屋である。
小さくなってベッドに寝ているじいちゃんは、一回り小さく見える。
神妙なおももちです。
じいちゃん「病院ってさみしいな。家がやっぱりいいなぁ」
次の日には、孫2人がお見舞いにやってきた。
孫2人「おじいちゃん、早く元気になってね!!!」
孫の応援はなんとも嬉しいらしい。
孫達が帰ってから、
母ます子「孫もまだ小さいんだから、じいちゃん、頑張るんだよ!」
じいちゃん「んだな。まだ死んでられないな・・・頑張る・・・」
母ます子「うん、頑張って、早く退院しよう!」
じいちゃん「(うなづく)・・・・」
私にはこの夫婦(我が両親)の会話が理解できなかった。
じいちゃんは無事退院した。
入院は3日間でした。
以来、入院したことはありません。
その時の病気は・・・お尻にできた「おでき」でした。